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労災保険における治ゆ(症状固定)の考え方ついて解説しています。

療養(補償)給付労災保険における治ゆ(症状固定)の考え方

労災保険における治ゆ(症状固定)の考え方

治癒(ちゆ)とは一般的には身体に負った傷や病気などが完全に治ることを指しますが、労災保険でいう治ゆは完全に治ることを指してはいません。

よく労災保険は傷病が治るまで治療を受ける事ができるといいますが、この「治る」の意味は「治ゆ」のことを指し、疼痛などの症状が残っていたとしてもそれがその状態で安定しており、治療の効果が期待できず、療養の余地が無くなった場合にのことを指します。

つまり、労災保険における「治ゆ」とは「症状固定」と同じ意味になります。

健康保険であれば痛みが残っていれば対症療法かもしれませんが、治療を受けることは可能です。しかし、労災保険で一旦治ゆとなれば、その後再び当該傷病について療養を必要とするに至らなければ(再発)療養(補償)給付や休業(補償)給付などの保険給付を受ける事ができなくなります。

 <図12>

具体的には負傷にあっては創面の治ゆした場合、疾病にあっては急性症状が消退し慢性症状は持続しても医療効果を期待し得ない状態となった場合がいわゆる治ゆとされます。なお、ここでいう医療効果の医療とは医学上一般的に認められた者を指しますので、たまたま実験段階や研究過程にあるような治療で効果があったとしても、その状態は「治ゆ」ということになります。

注:治ゆの判断は基本的には主治医によることになりますが、療養の期間が長くなってきた場合などは、政府によって決定される場合もあります。


参考事例

○「右膝負傷及び腰部捻挫」の治ゆ認定。
労働者災害補償保険法に基づく療養補償及び休業補償の対象となるのは、医学的に見て通常治療効果の期待し得られる場合に限られ、症状が固定した状態にあって、効果的な治療方法が期待し得られなくなったときは、たとえ尚身体の障害が残存していても右疾病は「治った」ものとして療養補償費及び休業補償費の支給は打ち切られ、右障害は同法所定の障害補償費の支給の対象となるのであって、右の如き症状に対して或治療方法を施してその結果が偶々良好であったとしても右治療方法の効果が医学上一般的に承認せられているものでない限り、療養補償の対象とはならないと解するのが相当である。(山口地裁 昭和26年(行)第7号 昭和27年3月13日判決)




  
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