本文へスキップ

労災保険における出張中の業務上の判断について解説しています。

労災保険概要出張中における業務上の判断

出張中における業務上の判断

出張に際しては会社を出てから会社に戻ってくる場合もあれば、自宅から出張先へ赴いて自宅に戻ってくる場合もあります。前者の場合はその間を出張として見る事ができ、後者の場合であっても、基本的に出張命令の内容や、出張用無の性質等によって判断され、特別な事情がない限り、その間は一応その過程全般に業務遂行性があると見ます。

つまり、出張中は労働者がその用務の成否等について包括的に事業主に責任を負っていると考える事ができますので、特段の事情がない限り、一応出張過程の全般について事業主の支配下にあるといえ、一応その過程全般に業務遂行性があると考えます。

 <図10>

また、出張中は事業主の管理下を離れていますので、その間に様々な私的行為が行われることも普通に考えられます。そこで、出張中の個々の行為において積極的な私用や私的行為・恣意行為を除いて一般的には出張に当然又は通常伴う行為とみて広く業務遂行性を認めています。


参考事例

<業務上とされたもの>
○出張途上でトラックに便乗した発電所職員の転落事故
本件は、出張順路の状況からいって通常予想される方法によって出張途上にあったことが認められるから、出張業務遂行に起因する業務上の死亡である。(昭和23.8.28 基収第3097号)

○自宅から直接用務地へ向かう途中の事故
本件は、自宅から直接に用務地へ赴く途上で発生したものであるが、「自宅公用外出」と称して事業主から是認されている方法によって依命用務先へ向かう途上の事故であるから、出張用務遂行に起因する業務上の死亡と解するのが相当である。(昭和24.12.15 基収第3001号)

<業務外とされたもの>
○出張先において会社の指定する宿に宿泊せず、同伴ホテルに宿泊し、ホテル火災によって死亡した場合
出張中は一応出張家庭の全般について事業主の支配下にあるものとして、積極的な私的・恣意行為にわたるものを除き、それ以外は一般に出張に当然又は通常伴う行為とみるのが相当である。本件は、会社から指定された旅館に被災当日も宿泊が予定されていたのにもかかわらず、街で知り合った女性を同伴して他のホテルに宿泊した際に被災したものであり、当該ホテルに宿泊する行為は、出張に伴うべき行為ではなく、出張過程から逸脱した恣意行為であり、業務上の事由とは認められない。(昭和61.4.18 昭59労第126号)

○出張中、旅館に食事の準備がなかったために外出し飲酒した後の死亡事故
旅館を出て近くの食堂に行き飲酒していることを、喫飯はしていないが旅館に夕食の支度がないための食事の為の行為(業務に附随する行為)として請求人に有利に解したとしても、それよりの後の行動は、得意先の人は誰もおらず、また同道もしていないことから、宿泊中の全く自由な時間における私的行為と解するのが妥当である。したがって、本件災害は業務に起因するものとは認められない。(昭和54.7.31 昭53労第159号)



  
<スポンサードリンク>

information


<スポンサードリンク>