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労災保険における業務(作業)前後の業務上の判断ついて解説しています。

労災保険概要業務(作業)の前後における業務上の判断

業務(作業)の前後における業務上の判断

業務災害は基本的には業務中に発生すると考える事ができますが、就業時間前や就業時間後であったとしても場合によっては業務災害と認められる場合があります。というのも業務にはその業務に対しての準備や後始末などがあり、例えば更衣などはその典型的な例と言えるからです。

しかし、だからと言ってそのような就業時間前や就業時間後の行動による災害がすべて業務災害となる訳ではありません。というのもそもそも論として、就業時間前や就業時間後は通常自由行動であり、単なる事業場施設の利用と考える事ができるからです。

すなわち、このような場合において業務災害と認められるには当該行為が業務行為に通常、もしくは当然付随するものとして、業務行為の延長と考えることができるかどうかによってきます。

 <図8>

つまり、就業時間前や就業時間後の行為による災害が業務上と認められるためには上記のような要件をクリアしなければならないことになります。

注:業務上か業務外かを判断するのはあくまでも労働基準監督署です。個々の事例やその解釈の仕方によって判断が分かれる事もありますので、業務災害かな?と少しでも思った場合には管轄の労働基準監督署にご相談ください。


参考事例

<業務上とされたもの>
○就業時間前に発生した鉄道線路班工手の列車事故
出退勤の際に、つとめて線路を巡回してくるようにとの保線区長の指導がなされていること、被災者が平時出勤時に線路の点検を行っていたこと、就業時間前であるがすでに通常の就業場所に到達していたこと等を総合すれば、本件事故発生時の被災者の行動は、その職務の性質上、本来の業務に付随する準備行為と見ることは容易であるから、、本件死亡は、被災者の保線業務に起因する業務上の死亡と解すべきである。(昭和25.5.9 基収第1118号)

○日雇労働者が作業を終えて現場から事務所へ帰る途中の転落溺死事故
本件の場合、作業終了後に作業用具の返還や賃金受領のため事務所へ戻ることは、被災者の業務に当然付随するものとみるべきであり、線路上を歩行したことの故をもってこれを否定すべき事情もないから、その間に発生した本件死亡は、被災者の業務に起因するものとして業務上と解すべきである。(昭和28.11.14 基収第5088号)

<業務外とされたもの>
○水槽タンクの洗浄錆止め作業終了後、身体の汚れを落とすためプールに飛び込み、そこに接触して負傷した場合
請求人がプールに飛び込んだことは、作業の結果身体が汚れたため、これを落とす目的を持っていたことは認められるが、事業主がプールへ飛び込んで身体の汚れを落とせと指示したものとは認められない。また、請求人の場合プールに飛び込まなければ身体を洗う事が不可能であったわけではなく、さらにプールに飛び込んで身体の汚れを落とすことがやってはいけないことを知りながら、同僚と二人で衝動的に飛び込んだものであって、この時点において同行為は作業に伴う後始末行為から逸脱して遊戯の一種へと転化したものと判断され、業務上の災害とは認められない。(昭和54.2.28 昭53労第121号)



  
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