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労災保険の目的など概要について解説しています。

労災保険概要業務(作業)の中断中における業務上の判断

業務(作業)の中断中における業務上の判断

所定労働時間内はもちろんですが、残業時間内であっても就業中の労働者の行為は基本的には業務行為ということになります。しかし、人間ですから、例えばのどが渇いたために水を飲みに行ったり、若しくは手洗いに行ったりすることがあります。もちろんこれらの行為は業務行為を一時中断している、つまり業務行為ではないという事ができます。ただ、このような行為が生理的必要なものである限り、業務行為に付随する行為として、当該行為に起因して災害が発生したとしても一般的には業務に起因する災害と考える事ができます。

また、業務中に何らかの突発的な原因、例えば風に帽子が飛ばされたなどの原因でそれを反射的にとろうとして起きた災害など、帽子をとるという行為自体は業務行為とは言い難いものがあります。しかし、このような行為は通常ありがちなものとして業務行為に付随する行為と考える事ができます。よってこちらも、当該行為に起因して災害が発生したとしても一般的には業務に起因する災害と考える事ができます。

 <図7>

ただ、上記のような生理的必要行為や反射的行為であったとしても当然ですが、そのような行為が労働者の恣意的な行動や、私的な目的での行動であった場合には、業務行為に付随するものと考えることはできませんので、業務起因性が認められず、業務災害とはなりません。

注:業務上か業務外かを判断するのはあくまでも労働基準監督署です。個々の事例やその解釈の仕方によって判断が分かれる事もありますので、業務災害かな?と少しでも思った場合には管轄の労働基準監督署にご相談ください。


参考事例

<業務上とされたもの>
○風に飛ばされた帽子を拾おうとして自動車にはねられたトラック助手の死亡
本件死亡は、運転業務に付随して発生したものであり、帽子を拾おうとしたことを恣意に出ずるものということはできないから、業務上である。(昭和25.5.8 基収第1006号)

○作業時間中炊事場に湯を飲みに行きその帰途で生じた負傷
作業中、喉を癒すため、職場備え付けのヤカンに湯がなかったとき、許可をえないで炊事場に行ったとしても、そのような飲水行為は、特に禁止されているものでない限り、生理的必要による業務付随行為とみるべきであり、業務を放棄したとみる事ができない。したがって、かかる飲水行為中の負傷は業務に起因する業務上の負傷である。(昭和25.11.20 基収第2970号)

<業務外とされたもの>
○手待ち時間中に昼食の調理に用いた包丁により負傷した場合
本件災害が待合時間中すなわち請求人が労働契約に基づいて事業主の支配下にあった時に発生したものであることは否定できないが、一般に労働者が事業場内において自己の昼食を調理するという行為が労働契約に基づく業務行為と言えないことは明らかである。なお、私的行為であっても、事業場施設の利用中に、その施設に起因して災害が発生した場合には、業務起因性を認め得るが、本件災害の原因が施設の欠陥にあったとは認められない。以上のことから、本件災害は業務外である(昭和63.3.3 昭和60労第134号)



  
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